Author Topic: HvoUdun  (Read 131 times)

Hirtyjerwarty

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HvoUdun
« on: October 15, 2013, 09:27:38 pm »
「真鶴様、生まれました。男の子です。王子様でございます!」  「首里天加那志の子を宿しました……」
「しかしまあ、婦警からホステスに転職とは思いきったことを」隣で井上がつぶやく。  「えっと。お咎《とが》め無しでよいと思います……」
「女官大勢頭部様がお乳の出のよい乳母を三人見繕いました」  「ああ。やっこさんは家族旅行でね。行き先と日程だけ聞いて解放したよ」のんびりした口調で言う。
 日が替わると本城署は朝からあわただしかった。   腰が砕けた。飛ぶのではなく、真下に膝から落ちた。
 ここから市民病院はさほど離れていない。腕時計を見て時間を計った。  「ねえ、ちょっと聞いてくれる?」
「あら、そう」電話の向こうで声が弾んだ気がした。  「御意《ぎょい》。首里天加那志。このたびの恩赦に心からお礼を申し上げます」

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